1年情報コミュニケーションコース 夏期研修

1日目
大阪から3時間のバスの旅を経て、岡山県玉野市にある宇野港に到着。そこからバスごとフェリーに乗り込み、直島(宮浦港)へ。島内をバスで移動する際には、直島の歴史や建物の紹介をしていただきました。

「ベネッセハウス ミュージアム」に到着すると、さっそく3つのグループに分かれて研修が始まりました。それぞれのグループにはファシリテーターの方が一人ずついてくださり、「対話型鑑賞」について教えてくださいました。一つの作品をグループ全員で鑑賞し、連想したことや気になったこと、好きな部分や嫌いな部分、なぜそう思ったかなど、「どんなことでもいい」「決まった答えはない」という設定で一人ずつ話しました。最後は自由に館内の作品を鑑賞し、グループ内で発表をしました。美術館に来ることさえ初めてだという生徒もいましたが、みんな積極的に取り組み、自分の考えを一生懸命伝えていました。今日の研修では、作品を通して自分と向き合い、それを他の人たちと共有しさらに考えを深めるという、学校の中ではなかなかできない体験を得ることができました。

 

ホテルへ帰るフェリーに乗る前に「宮浦ギャラリー六区」を訪れ、直島にたどり着いた漂流物で作成したカメラで撮影した島の人達(家族)の写真を鑑賞しました。ギャラリーには、展示物の他に、アーティストである下道さんの作業場や、島について書かれた本を見ることができ、直島についてより深く知るきっかけとなりました。

明日も美術館や散策などを通して、たくさんの作品や島の良さに触れていきます。

2日目
2日目の朝はラジオ体操で始まりました。体を起こして、再び岡山県からフェリーに乗って直島へ。直島に到着すると、まずは「ANDO MUSEUM」へ。「ベネッセハウス ミュージアム」や「地中美術館」など、直島にある多くの建造物を手がける建築家の安藤忠雄さんについて知ることのできるこのミュージアムは、外観は普通の民家ですが、中に入るとコンクリート打ちっぱなしの構造となっていて、安藤さんの建築の素晴らしさを体感できる空間となっていました。その後は、グループごとに「本村(ほんむら)」という集落を自由に散策しました。この集落では、古い民家を空間ごとアート作品にする「家プロジェクト」によって、集落全体が大きな美術館のようになっていて、世界中からの多くの観光客が集落を散策しながらアートを鑑賞しています。生徒達は、昨日学んだ「対話型鑑賞」を思い出して、それぞれ気になったことを話しながら、個性的なアート作品を楽しんで鑑賞していました。

 

 

午後からは「地中美術館」「ヴァレーギャラリー」「李禹煥美術館」を訪れ、自然の景色や建物、太陽の動き、鑑賞する人達自身と一体となった見応えのある作品の中で気になったものについて、生徒同士やファシリテーターの方と話し、レポートをまとめていました。

 

明日はそのレポートの発表をして、その後「直島新美術館」を訪れる予定です。

3日目
3日目の朝はホテル前の海岸を散歩しました。瀬戸大橋が目の前に見える素晴らしい景色でした。昨日より早めのフェリーに乗り込み、3度目の直島へ。町役場の隣にある直島ホールという場所を借りて、一人ずつ発表を行いました。今回の研修を通して気になった作品2つを選び、自分なりの解釈や、なぜその作品が気になったのか、などを言葉にして発表しました。その後、3日間お世話になったファシリテーターの方々へ生徒代表2人から感謝の言葉を伝えました。

 

 

発表の後は「直島新美術館」へ行きました。1時間、自由に作品を鑑賞しました。直島でしか観られない、ダイナミックで常識を覆すような大作ばかりで、生徒達も驚きを口にしながら楽しんで鑑賞していました。

最後に
3日間という時間をかけて、直島を満喫しましたが、それでも足りないぐらい魅力いっぱいの直島でした。帰る頃には「もう少し直島にいたい」「帰りたくない」という声もありました。
今回の研修を通して、生徒達は、「他者とコミュニケーションをとり、多様な価値観に基づいて思考する」「物事を多面的にとらえる」「答えのない問いに取り組む」というCコースが目指すべき学びを得ることができました。これから2学期が始まりますが、日常の学習の中でも今回学んだことを忘れず、主体的に取り組み、来年のシンガポール&マレーシア修学旅行へつなげていきます。